暑中熱中散歩:シンガポール・アートサイエンス・ミュージアム

前から気になっていたアートサイエンス・ミュージアムに行ってきた。市内から海を望むと最近はすっかりおなじみとなったMarina Bay Sandsのスカイラインの一角にある蓮の花びらのような形のミュージアム。モシュ・サフディというイスラエルの建築家による設計。

ここでも人気のイベントはチームラボの作品Future World。今回は時間がなかったのでパスしてしまったけれど、素晴らしい作品との評判を聞いた。この他に、去年森美術館でやっていた宇宙展(正式名称忘れました)も東京から巡回して展示されていた。

今回のお目当てはこちら。ダブリンのサイエンスギャラリーなどとの共同企画。技術の発達が人間に与える影響を、例えば身体機能の拡張、ロボット、サイボーグ、長寿が引き起こす社会変化など、アート作品として提示するというようなもの。

最後のコーナーにはアンドロイド嬢がデスクでお見送りしてくれるのだけれど、ご機嫌がよろしくなくて、残念ながら反応してくれなかった。

ギャラリーの隣には巨大なショッピングモール(カジノもあり)。この地下のフードコートはとっても充実しています。

www.marinabaysands.com

www.archdaily.com

観てきました、草間彌生展覧会 @Nationa Gallery Singapore

東南アジアでは最大、アジアでも有数の規模を誇るシンガポール国立ギャラリーで、現在、草間彌生展が開催中。先日、シンガポールに出張中に、ちょこっと立ち寄ってきた。

東京でも、ついこの前まで国立新美術館で個展が行われていたが、シンガポールのはそれとは全く異なる構成、作品の展覧会。この後巡回するクィーンズランドのギャラリーとの共同キューレーションで、シンガポールのコレクターの所蔵作品もいくつか含まれている。シンガポールには熱烈な草間彌生コレクターが何人かいるらしい。

新美では時代別だったと思うけれど、こちらではテーマ毎に分けて展示されている。ちょうど学校のお休みの時期に入っていて、毎日大変な数の来場者だったらしい。私が行ったのは平日の朝一だったので、ゆっくり見ることができた。スクールホリデーにあわせて子供のためのアートビエンナーレ、のような企画展が開催されていて(これの目玉展示のひとつはチームラボの作品)、その関連で草間彌生を遊ぶ部屋ができていた。子供たちがカラフルな丸いシールを部屋中に貼っていくというのもで、開幕一ヶ月足らずで相当な彌生空間になっていた。

どのコーナーも草間彌生的無限ループに満ちあふれている。

 

これ↑がこの展覧会のタイトルとなっているLife is the heart of the Rainbowという作品。

 この↑作品は、草間彌生が若い時代にベネチアビエンナーレにゲリラ参加したときに創作した作品をもとにしたもの。ボーリングのボールのような銀色の球が床一杯に敷き詰められているのだけれど、会場となっているこの部屋は、シンガポールの独立宣言や、日本軍が降伏文書調印式が行われた歴史的に重要なところだそうだ。

国立ギャラリーでは草間彌生展以外にも企画展、常設展など幾つもの展示会が開催中。中には素敵なレストランが幾つもあるし、屋上からの景色も絶景。

  

www.nationalgallery.sg

「タイ 仏の国の輝き」展が東京にやってくる

いよいよ、来月4日から上野の東京国立博物館で「タイ 仏の国の輝き」展が始まる。上野の前には福岡の九州国立博物館でも開催されていて、ここに載せている写真はそちらでのもの。レイアウトや構成、演出は少し変わっても、作品は基本的には同じものが上野でも並ぶらしい。

展覧会の目玉のひとつは、ラーマ2世王作の大扉。上がその裏面、下が表面。

以前、たしか朝日新聞でも紹介されていたが、この扉のレリーフは実に精密で、よく見るといろいろな生き物や、植物が刻まれている。単眼鏡か何かを持っていったら楽しめる。

 

 

たくさんの仏像が陳列されているけれど、今回の仏様はどっしり構えているというより、動きがあるものがあって面白い。上のも下のも、歩いているブッダの像。

東京での展覧会は8月27日まで。

同時期には、国際交流基金と六本木の国立新美術館森美術館が主催する東南アジアの現代美術展「サンシャワー」も開幕する。

サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで|企画展|展示会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

タイで出家した直木賞作家、笹倉明さん

www.asahi.com

朝日新聞に紹介されていた笹倉さんの記事が面白かったのでクリップ(例によって全文は読めない)。

これによると、1989年に直木賞を受賞して、数々の作品を発表した後スランプに陥り、書けなくなる。テーマが浮かばなくなったのだ。2005年にタイに移住。月3万円で暮らす生活を10年。そして毎朝、喫茶店から托鉢僧を眺めていて、一念発起し、

酒を断ち、経を覚え、昨春とうとう出家した。227の戒律を守り、映画も見ない生活は「自分の失敗を受け入れさせてくれた。」

そして、1年経ったら、また書きたいことが湧いてきた、という。

ネットで調べると、一年くらい前まではこちらのブログ毎週書いていたけれど、これは出家以前のようだ。笹倉明の「週刊アッ!くん」

笹倉さんは1948年生まれというから、タイに渡ったのはすでに50歳をい過ぎてから。出家したのは70歳近くになってからということか。こういう老後、なかなか興味深い。

インドネシアの二つの文芸フェス:ASEAN Literary Festival & UBUD Writers & Readers Festival

www.thejakartapost.com

第4回ASEAN文芸フェスティバルが、8月3〜6日、ジャカルタで開催される。今回はASEAN結成50周年を記念しての開催で、統一テーマはBeyond Imagination。ASEAN10ヶ国の他にも20ヶ国から参加。

とは言っても、こちらのサイト(Asean Literary Festival)に載っている情報のほとんどは去年のものだし、今年どういうことが行われるのかまだよくわからない。主催者はMuara Foundationとあるけれど、こちらもネットでは情報が拾えない。中心人物のインドネシアの作家は、こちらに少し情報がある。» Okky Madasari - okky madasari 

www.ubudwritersfestival.com

インドネシアでは、バリでも”UBUD Writers & Readers Festival”が毎年開催されていて、こちらは今年は10月25-29。こちらも詳細は未定で、8月に発表されるようだ。

日本では数年前に東京国際文芸フェスティバルが始まったが、去年も今年も開催されないようだ。長年にわたって各国の文学もたくさん翻訳されているのに、なぜ日本にはフェスティバルがないのだろう。不思議だ。

ジャカルタのど真ん中:Bundaran HI (ホテルインドネシア前ロータリー)

今まで、このホテルインドネシア前のロータリーというかラウンドアバウトを見たことは数知れずだれど、ホテルインドネシア側から見下ろしたことは一回もなかったので、記念撮影。

ホテルインドネシアは、日本の戦後賠償を元に独立後のインドネシアが威信をかけて開催した1962年の第4回アジアゲームに向けて建てられ、スカルノ大統領がお披露目をした。オランダ人の建築家Abel Sorensen、Wendy Becker夫妻がデザイン。10年ほど前に徹底的なリノベーションをしてKempinski Hotelとして再出発。

外面はリノベーション後もあんまり変わっていないように見えるけれど、中に入るととても50年前の建造物とは思えない完璧な内装。リノベーション前のホテルの室内に入ったことはないので比較できないけれど、落ち着いた、洒落た部屋になっている。

ホテルには広大なショッピングモールが直結している。西武デパートとかユニクロ無印良品といった日本のショップも多い。本当に広くてたまげる。昔はこのホテルの裏にはカンポンが広がっていて、高層ホテルに代表される富裕層と庶民の生活との格差の存在を象徴している場所だったけれど、そのカンポンもすっかりショッピングセンターに置き換わってしまった。

これは、フロントの裏の中庭にあるミーティングルーム。

ブルネイの首都バンダルスリブガワンを散策

 先日、ブルネイの首都バンダル・スリブガワンを訪ねた時、地元の人が連れて行ってくれたのがスルタン・オマールアリ・サイフディン・モスク。ブルネイ人が自慢するだけあって、確かに青空をバックにしたミナレットは美しい。

 モスクの近くにある王室財宝博物館(と言う名前ではないけれど、そういう性格の博物館)にも行ったけれど、こちらも立派な施設。陳列品は王様がもらったお土産などなどで面白いものでもないが、思いつく限りの様々な方法で王様の権威を示そうとしている。人口40万人の小さな小さな国を統治するのもなかなか大変なのだ。

ブルネイには中国からたくさんの観光客が来るそうで、この博物館にも中国からのグループが幅をきかせていた。というか、他にはお客さんがいなかった。